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杏林大学医学部 第三内科学教室 消化器内科
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診療科長挨拶

杏林大学付属病院消化器内科を受診される皆様へ

久松 理一

久松 理一

COVID-19が第5類感染症となり、我々の日常はいよいよwith コロナ時代を迎えています。感染対策に細心の注意を払いながらコロナ以前よりも質の高い医療を患者さまにお届けしなくてはいけないと強く思っています。これからも三多摩地区を中心とした東京西部の基幹病院として、引き続き質の高い医療の提供していく所存です。
消化器内科の診療は5つの専門グループから構成されています。入院患者さまの場合は、これらの専門グループが主治医チームと連携して患者さんと相談しながら治療方針を決めていきます。

胆膵班
土岐真朗准教授をリーダーとして年間400-500件のERCP関連手技を行なっています。総胆管結石の除去、胆膵悪性腫瘍に伴う閉塞性黄疸に対するステント挿入では他の医療機関で手技的に困難であった症例も数多く紹介されています。胆膵悪性腫瘍の確定診断のためのEUS-FNAも積極的に行っておいます。緊急患者さまも多いので24時間対応できる体制をとっています。

消化管治療班
大野亜希子講師をリーダーとして、食道、胃、大腸の早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行なっています。特に大腸粘膜内癌に対するESDは年々症例数が増加しています約200件/年の内視鏡手術(食道・胃・大腸)の実績をあげています。ひとえに治療困難例を含めて東京西部の広い地域から患者さまのご紹介をいただいているおかげです。また、食道静脈瘤破裂を含む消化管出血に対しては24時間体制で対応可能です。

肝臓班
森 秀明特任教授、川村直弘講師、關里和助教を中心に、HCV・HBVに対する抗ウィルス治療、HCCに対するラジオ波治療やTACEを行なっています。特にラジオ波治療については困難例にも対応するために外部からエキスパートも招聘しています。腫瘍内科や外科とも連携し化学療法や手術症例にも対応しています。また最新の超音波装置を用いて肝線維化の評価も積極的に行なっています。自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)の症例が多いのも当院の特徴です。

ピロリ除菌外来
除菌困難例(二次除菌、三次除菌)、薬剤アレルギーを持つ方の除菌などに専門医(総合診療科教授 徳永健吾)が対応しています。

小腸大腸班と炎症性腸疾患包括医療センター
久松(主任教授)、松浦 稔 臨床教授をリーダーとして炎症性腸疾患や大腸癌を中心に下部消化管疾患に対応しています。炎症性腸疾患登録患者数は 約1450名(潰瘍性大腸炎 約1100名、クローン病 約350名)で全国の施設からご紹介いただいております。新薬による先進医療はもちろん、杏林では国際共同治験を含めた数多くのIBDに対する治験を行なっています。もし治療に難渋している患者さんがおりましたらいつでもご相談ください(地域連携枠で炎症性腸疾患外来の予約が可能です)。2022年4月から開設された炎症性腸疾患包括医療センター(Interdisciplinary Center for Inflammatory Bowel Disease, ICIBD)http://kyorin-icibd.com/)では、患者さまを中心とした多職種による包括的診療をおこなっています。さらにエキスパートによる講演のオンデマンド配信など、患者さまや地域の医療関係者の皆様方にお役に立つ活動を行なっています。ぜひサイトを訪れてみてください。三好潤准教授がリーダーである腸管エコーは日本における指導施設の役割も果たしており全国から医師や技師の方々が見学に来ています。 小腸の疾患は検査を含めて診断が難しいことが多いと思います。林田真理講師が小腸検査外来を開設しています。小腸カプセル内視鏡や小腸バルーン内視鏡が必要な患者さんがいらっしゃいましたらいつでもご相談ください。特に小腸バルーン内視鏡が施行できる施設は東京西部では少なく、クローン病、小腸出血、小腸腫瘍の患者さまを数多くご紹介いただいています。

*杏林大学医学部付属杉並病院新規開設のご案内
2024年4月1日から旧佼成病院の立地に杏林大学医学部付属杉並病院が開設されました。消化器内科からもスタッフが派遣され付属病院(三鷹)とも密に連携して診療にあたっていきます。ぜひ近隣の患者さま、医療機関の皆様におかれましてはよろしくお願い申し上げます。

2024年度も消化器内科一丸となって診療にあたります。今後ともご指導のほど宜しく御願い申し上げます。


【杏林大学医学部付属病院消化器内科の目指すところ】

  • 病気を治すのではなく病人を治す医療を提供すること
  • 安全で質の高い医療を提供すること
  • 常に新しい知識と技術をもってエビデンスに基づいた医療を提供すること
  • 地域に信頼される消化器内科であること
  • 患者さんとご家族に丁寧な説明を行うこと

2024年4月1日
杏林大学医学部消化器内科学 教授
診療科長
内視鏡室室長

久松 理一(ひさまつ ただかず)