よくあるご質問
Q1. 治験とは何でしょうか?
A1. 治験は、臨床系研究の中でも、特に新しい薬剤や医療機器の製造販売の国の承認を得るために行われる臨床試験のことを指します。
Q2. 治験の第I相、第II相、第III相とは何ですか?
A2. 第I相では、少数の健康な成人または患者さんを対象として治験薬剤の安全性を調べます。また、薬剤の吸収や排泄などについても調べます。第II相では、比較的少数の患者さんを対象として、第I相試験で安全性が確認された範囲で、薬剤の安全性、有効性、適切な投与量などを調べます。一般的にはプラセボ(薬効がないとされる対照薬)を用いた検討が行われますが、既存の薬剤との比較を行う場合もあります。第III相では、多数の患者さんに対して薬剤を使用して、薬剤の薬剤の安全性、有効性、適切な投与量などをより詳細に調べます。長期間使用した際の安全性や有効性についても検討する場合があります。一般的にはプラセボ(薬効がないとされる対照薬)を用いた検討が行われますが、既存の薬剤との比較を行う場合もあります。
Q3. 治験に参加するメリット、デメリットはありますか?
A3. (1) 治験参加中は、通常の診療よりも、診察や検査の回数が増えることがあります。より綿密な診療を受けられることはメリットと言えるでしょう。一方で、通院回数などが増えるということはデメリットと言えるでしょう。(2) 多くの治験には参加できる患者さんの条件があります。現在ある治療法でも症状が安定しない患者さんにとっては、新しい治療を受けるチャンスになると言えるでしょう。ただし、治験薬剤とプラセボ等を比較する治験では、どちらが投与されるかは担当医師にも患者さんにも分からないようになっています(無作為化割り付け二重盲検法)ので、必ず治験薬剤が投与されるわけではありません。(3) 患者さん本人の治療のみならず、同じ病気で悩んでいる人々への医療に貢献することにつながります。一方で、安全性を十分に確認しているとは言え、新しい治療であるため、想定外の副作用などが生じる可能性が完全には否定できません。
Q4. 治験に参加すると言ったのですが、やっぱりやめてもいいですか?
A4. 治験への参加は患者さんの自由意志に基づきます。参加同意の撤回はいつでも可能です。治験への不参加、同意撤回が患者さんの通常診療の不利益になることは一切ありません。
Q5. 私が参加できる治験はありますか?
A5. 私たちはさまざまな国内、国際治験を実施しております。担当医にお気軽にご相談ください。以下に、治験実施状況をお示しいたします。
当科における炎症性腸疾患に対する治験一覧(2019年7月現在)
治験薬名 |
デザイン |
対象疾患 |
剤型 |
備考 |
---|---|---|---|---|
Upadactinib(ABT-494) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
経口 |
|
Upadactinib(ABT-494) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
経口 |
上記試験の継続試験 |
Upadactinib(ABT-494) |
第3相 |
クローン病 |
経口 |
|
Upadactinib(ABT-494) |
第3相 |
クローン病 |
経口 |
上記試験の継続試験 |
Risankizumab(ABBV-066) |
第3相 |
クローン病 |
注射 |
|
Risankizumab(ABBV-066) |
第3相 |
クローン病 |
注射 |
上記試験の継続試験 |
Risankizumab(ABBV-066) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
注射 |
|
Risankizumab(ABBV-066) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
注射 |
|
Filgotinib |
第3相 |
クローン病 |
経口 |
|
Filgotinib |
第3相 |
クローン病 |
経口 |
上記試験の継続試験 |
Filgotinib |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
経口 |
|
Filgotinib |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
経口 |
上記試験の継続試験 |
LY3074828(mirikizumab) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
注射 |
|
LY3074828(mirikizumab) |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
注射 |
上記試験の継続試験 |
AJM300 |
第3相 |
潰瘍性大腸炎 |
経口 |