toTOP

杏林大学医学部 第三内科学教室 消化器内科
menu

トップ > 医療関係者・学生の皆様 > 教授挨拶

教授挨拶

ご挨拶

久松 理一

久松 理一

平成27年4月1日に杏林大学医学部付属病院消化器内科に教授として赴任して早いもので1年が過ぎました。この4月1日より高橋信一教授の後任として診療科長および内視鏡室長を仰せつかりました。まずはこの1年間、高橋信一教授(現特任教授)、森 秀明教授、徳永健吾医局長をはじめとする医局員皆さんが温かく私を迎い入れてくれたことに心から感謝いたします。

昨年は若い人へのメッセージとして挨拶を書かせていただきました。今年は診療科長として消化器内科教室をどのような方向性で進めていきたいかを述べたいと思います。

まず、最初に私が将来退任するとき、消化器内科の教授(診療科長)として評価されるとしたら何によってでしょうか。それは以下の二つのみで評価されると思います。

  1. 診療科長として安全で質の高い医療を提供できたかどうか
  2. 優れた医師を育成し社会に輩出できたかどうか

したがって、私の価値観のなかではこの2点が最優先されるべきであり、この点はぶれないように心がけたいと思います。

この1年間皆さんと過ごしてきてまず伝えたいのは、杏林の名の由来のごとく医局員、コメディカルの方々、事務員の方々、皆が心優しく日々患者さんに接しているということが印象的だったということです。この当たり前のようなことが多忙を極める大学病院では実は相当難しい、ということはよく理解しているつもりです。その良さはぜひ失わないでいただきたいと思います。

さて、杏林大学医学部消化器内科教室は船で言えば小舟ではなく、豪華客船のようなものです。そこには多くの部門があり、派手な仕事から裏方まで多種多様な役割があります。しかし、そのどれか一つが機能しなくなるだけで船は止まってしまいます。各人がそれぞれ役割を理解し力を発揮してはじめて船は目的地に到着することができるのです。
では、我々はどこへ向かうべきなのでしょうか?我々に課された責務は3つあります。

  1. 大学付属病院として高度な医療を提供すること
  2. 教育機関として人材を育成すること
  3. 基幹病院として地域医療の充実と発展に貢献すること

です。大学によって特色はありますが、原則この3点は大学付属病院としては共通の責務です。

杏林という船がはるか遠い目的地に向かってゆっくりと進んで行きます。船員である医局員の皆さんに10のメッセージを伝えたいと思います。

1.「医は仁術」、これは不変である

どんなに科学が進歩してIPS細胞ができようが、ロボット手術が可能になろうが、地球人が火星に行こうが、医師と患者さんの関係は変わらない。患者さんは病気を抱えているという絶対的な事実がそこにあるからである。医学が単純な科学と異なる本質はここにある。

2.考える医療をすること、医学はまた科学でもある

個々の症例、あるいは臨床研究において"なぜ""どうして"というクリカルクエスチョンを常に考えること。エビデンスは知っていなければいけない標準であって、最高を意味するものではありません。思考すること、想像することが科学としての医学には大切。

3.井の中の蛙になるな、世界は広い、外に出ること

人は見てきた景色しか他人に伝えることができない。杏林の中だけで満足していては医療技術の進歩はないし、後輩に新しいことを伝えることは無理である。「俺らの頃はなぁ~」なんていうセリフは引退してから言えばよろしい。

4.挑戦すること、変わることを恐れない

強いものが生き残るのではなく環境の変化に対応できたものが生き残る、というのはよく言われることです。いろんなことに挑戦し進化していってください。

5.限界を自分で決めない

自分がやれるのはこの程度まで、と勝手に決めないこと。限界を決めた時点で成長が止まる。

6.仲間を大切にすること

大切にするというのはrespectするということ。時に意見の衝突もあるでしょう。真剣に取り組んでいれば当たり前です。でもその時に同意できなくても相手の意見に耳を傾け尊重することが大切です。いいチームワークというのはそこから生まれます。

7.最後までやり抜き、形に残すこと

臨床でも、研究でも形になるまでやり抜くこと。サマリー、病理解剖、学会報告、論文、それぞれの段階で必ず形に残すこと。形に残さなかった臨床経験は全く後世に伝わらない。それは罪悪である。

8.異種格闘技はしない、勝負するなら同じ分野で!

分野の違う者同士の競い合いはちっぽけな自己満足にしか過ぎません。勝負するなら自分の専門分野の権威の人たちと勝負しなさい。偉い人が常に正しいとは限らないのだから。

9.一人で無理をするな、仲間に助けを求めなさい

大きな仕事は一人では無理です。また人は誰でも疲れてしまうことがあります。そういう時は仲間を頼りなさい。お互い様です。

10.自信を持ちなさい、そして母校を愛しなさい

皆さんには無限の可能性があって、それを成し遂げる才能があります(努力は自分次第ですが・・・)。杏林で学んでいること、働いていることに自信を持ちなさい。そして母校を大切にしなさい。


なんだか、某テニスプレーヤーの日めくりカレンダーのようになってしまいましたが若い教授なのだからこれくらい暑苦しくても許してもらえるでしょう。
OB、OGの先生方におかれましては、消化器内科の発展のためにぜひ若い医局員たちを厳しく、温かく応援してやっていただければと思います。

杏林はまだ歴史的には若い私学です。伝統はこれから作られていくものでしょう。言い換えれば、現在の私たちが頑張ったことが10年後に杏林の歴史として評価され、そしてそれが何世代も受け継がれて"伝統"が出来上がるのだと思います。皆さんは今まさに伝統の1ページを作り上げようとしているのです、こんなに楽しいことはありません。みんなで頑張りましょう!

平成28年4月1日
杏林大学医学部第三内科学教授
消化器内科診療科長
内視鏡センター室長

久松 理一(ひさまつ ただかず)

消化器内科に興味をお持ちの学生および医師の皆様へ

森 秀明

森 秀明

杏林大学医学部消化器内科は初代教授である青柳俊雄教授(現名誉教授)が立ち上げられ、斉藤昌三教授(現名誉教授)、髙橋信一教授に引き継がれ、平成27年4月には新たに久松理一教授が就任され、今日に至っております。

私どもが専門にする消化器疾患は内科疾患の中でも患者さんの数が多い領域であり、疾患も多岐にわたっております。このため当科では専門分野を上部消化管疾患、下部消化管疾患、肝疾患、胆・膵疾患に分け、日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会、日本肝臓学会、日本超音波医学会などの認定指導医や専門医の指導の下、日々の診療,研究にあたっています。

杏林大学医学部消化器内科は初代教授である青柳俊雄教授(現名誉教授)が立ち上げられ、斉藤昌三教授(現名誉教授)、髙橋信一教授に引き継がれ、平成27年4月には新たに久松理一教授が就任され、今日に至っております。

私どもが専門にする消化器疾患は内科疾患の中でも患者さんの数が多い領域であり、疾患も多岐にわたっております。このため当科では専門分野を上部消化管疾患、下部消化管疾患、肝疾患、胆・膵疾患に分け、日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会、日本肝臓学会、日本超音波医学会などの認定指導医や専門医の指導の下、日々の診療,研究にあたっています。

また消化器内科医が種々の消化器疾患を診断するにあたり、上部・下部消化管X線および内視鏡検査、カプセル内視鏡検査、超音波内視鏡検査、腹部超音波検査、腹腔鏡検査、肝生検、経皮的胆道造影、内視鏡的逆行性胆道膵管造影など、多くの検査の手技や読影を習得する必要があります。さらに近年では肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法、総胆管結石に対する内視鏡下砕石術,肝膿瘍・急性胆嚢炎・閉塞性黄疸などに対するドレナージ術、胃腺腫や大腸ポリープのみならず早期食道癌・早期胃癌などに対しても内視鏡治療が行われるようになり、消化器内科医の役割はますます重要になっております。当科に入局された研修医の先生方はこれらの消化器領域の検査の手技や読影、治療手技を習得するとともに、前述した各学会の専門医や認定医を目指して研修して頂いております。

また当科の特徴のひとつとして今までに200名を超える同門の先生方が在籍され、当科を退職された後、全国各地で活躍し高い評価を頂いている点があります。当科で研修され、将来、地域医療の担い手になりたいと思っておられる学生や研修医の方々にとっても、全国に同門の先生がおられることは大変心強いことと思います。

杏林大学は創立50周年に向けて病院の建物や設備も充実してきました。これらの建物や設備などのハード面とともに発展しなければならないことは、勤務している私たち医師や看護師、パラメディカル、病院で働いているすべての方々を含めたソフト面のさらなる充実だと思います。現在、医師を目指して努力しておられる学生諸君、またすでに医師になり初期研修をされている先生方、さらに後期研修を別な病院でされた先生方もぜひ当科に入局され、ともに消化器病学を研鑽していきましょう。消化器内科に興味をお持ちの学生や医師の皆様方はぜひ当科の医局にご連絡ください。私たちは本学の建学の精神である真・善・美を理解・実践できる良医を育成し、日本の医療のさらなる発展に寄与できるよう努力していきたいと思います。

平成28年4月1日
杏林大学医学部第三内科学(消化器内科)臨床教授

森 英明(もり ひであき)