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杏林大学医学部 第三内科学教室 消化器内科
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教授挨拶

第三期3年間(2022-2024)の目標と課題
オリジナリティと質にこだわる

久松 理一

久松 理一

この4月から新年度を迎えます。まず、日頃よりご指導いただいているOB・OGの先生方に感謝申し上げます。また臨床、研究、教育に協力してくれている医局員の皆さんに感謝します。

はじめに、3月に行われました森 秀明教授の最終講義には斎藤昌三名誉教授、高橋信一特任教授を含むたくさんのOB・OGの先生方にご参加いただきましたこと、あらためて御礼申し上げます。森 教授と腹部超音波検査の歴史がわかってとても素晴らしい最終講義であったと思います。森教授には引き続き医学教育学特任教授として医学部生の教育に従事していただけることになっており、さらに消化器内科外来、腹部超音波検査の指導にもあたっていただけることになっています。ちなみに月曜朝のカンファレンスにもご出席いただいており、変わらない風景が続いているのはとても安心します。

コロナ禍はなかなか完全に収束するまでには至らず、OB・OGの先生方と現役医局員が交流する場を設けることがなかなかできない状況ですが、今年も杏林消化器内科新聞などアイデアを出して医局員の活躍をお知らせしたいと思いますので楽しみにしていただければと思います。

【新体制について】

この4月からだいぶスタッフが変わりました。新しい顔ぶれを紹介します。
久松理一(教授、診療科長、内視鏡室長)
松浦稔(准教授、内視鏡室副室長)
川村直弘(講師、外来医長)
土岐真朗(講師、病棟医長)
三好潤(講師(新任)
林田真理(学内講師(新任)、医局長)
斎藤大祐(学内講師(新任)
大野亜希子(学内講師(新任)
三浦みき(助教(新任)
關 里和(任期助教(新任)
落合一成(任期助教(新任)


ご覧になっていただけるとわかるように、中堅クラスが講師陣に昇任してきました。もちろん、学位を取得し、論文発表や学会発表で実績をあげての昇任ですから本人たちには自信を持っていただきたいと思います。
ただ、自分を含めてスタッフの皆さんにはスタッフであることは責任重大、覚悟がいることだよと伝えたいと思います。教授、准教授、講師が楽(らく)そうに見える医局は間違いなく衰退します。


講師の先生方がやるべきことは、

  1.  まず自らの実績をあげることです。講師としての実績はここから、ゼロからのスタートです。この先、実績をあげ続けることで杏林のアイデンティティを高めてもらわなければいけません。講師は医局の中心的存在であり、講師が活躍して輝いている医局は伸びていきます。講師になった以上もう引き返せません、横道にそれることもできません、前に進むしかないのです。
  2.  講師のもうひとつの役割は指導者として後輩の育成にあたることです。まずは背中を後輩に見せてください。頑張っている背中を見せることがまずは第一歩です。それから後輩のキャリアパスを真剣に考えてください。どのように技術を伝授するのか、後輩にどのようなキャリアパスを積ませるのか、学位を取得させるにはどうすればよいのか、ここがこれまで自分が頑張ればよかった助教までとは違います。自分の実績もあげながら人も育てる、ここに講師であることの醍醐味と苦悩があるといっても過言ではありません。

講師になったら受け身の仕事ではダメです。新しいものや考え方にチャレンジし続けないといけません。積極的に学会に出席し、学外に新しい仲間を作り、仕事の枠組みを広げていってください。そうすることで後輩の活躍する場が増えるのです。それはおそらくこれまで僕が講師になられた皆さんにしてきたことと同じはずです。
それから講師になった以上、杏林消化器内科の看板を背負うのですから、勝負に負けてはいけません。勝ちにいかないといけません。先生方の後ろには大事な後輩がついてきているのですから。そして仕事の質にこだわってください。ここからは数だけではありません。質も問われます。

そう、講師はたいへんなのです。でもその分やりがいも大きく、喜びも大きいはずです。
皆さんの活躍を期待しています!

【2022-2024の課題と目標】

2015年の着任以来、仕事を形で残すことにこだわるように話をしてきました。まずは症例報告を論文化するというところから始めてきました。この姿勢は医局にだいぶ染みついてきました。最初は慣れない仕事で大変だったかも知れませんが、自分の名前が筆頭著者として印刷された論文を見たときの喜びも経験できたと思いますし、なにより各自の自信につながったと思います。学会発表をし、それを論文化するという作業は間違いなく一人一人の力量をあげます。これからも油断せず教室の伝統として続けてほしいと思います。なにしろ着任時に「まずは日本一症例報告論文の多い教室を目指す」と宣言していますので。
 さて、2022-2024年は質にこだわってほしいと思います。日常の臨床業務に始まり、学生の授業、学会発表、論文執筆などそれぞれの仕事において妥協をせず、常により質の高いものを目指してください。臨床業務ではカルテ記載や退院サマリーの内容、患者接遇について質を上げるよう各グループで若い医師の教育指導をお願いします。研究面では、ぜひオリジナリティのある各グループや個人の看板になるような研究課題をみつけ実行・継続してください。学会発表で主題発表が増えてきたことは大変すばらしいですが、普段から研究テーマが稼働しているかというとそうでない部分もあると思います。研究は知りたいことがあって行うもので、学会発表をこなすための作業ではないということはもう一度確認してください。骨太の仕事をしていくことが杏林消化器内科の今後の発展に不可欠だと思います。この点において講師の先生方は各グループの研究方針の船頭ですから責任は重大です。

【医局員の皆さんへ】

杏林のPPIを提唱しました。覚えていますか。時代を変えるという情熱(passion)、専門家としての矜持(professionalism)、杏林や日本の医療の将来を想像する力(imagination)です。若い医局員の先生方にはとくにPPIにこだわって欲しいと思います。消化器内科は忙しいので、何も考えなくても日々の仕事をこなしていくだけで時間は経過していきます。しかし、それでは進歩はありません。自身の力量の壁を認識し、それを打破するために新しい発想でチャレンジすることが医師としての醍醐味です。ぜひ、1週間に1時間でいいので、自分のチャレンジはどこにあるのか考えてほしいと思います。そしてチャレンジするための時間と労を惜しんではいけません。迷っていたらダメです。思いついたら実行に移してください。
 どんな社会にも健全な競争は存在します。努力をした人にチャンスは平等に与えられるべきですが、いっぽうでスタート時点から平等に配布されるものでもありません。私は、手をつないで一緒にゴールなんていうことは幻想でしかないと思っていますし、その発想は各個人の進歩の妨げになると思っています。そのかわり敗者復活戦は何度だってありです。敗れたら再チャレンジすればいいのですし、今日の勝者が明日の勝者とは限りません。もっとも危険なことは若い人たちが競争を避けチャレンジしなくなることです。

先生方の飛躍こそが杏林消化器内科に最も大事なことです。

【基本方針10か条】

  1. 「医は仁術」、これは不変である
  2. 考える医療をすること、医学はまた科学でもある
  3. 井の中の蛙になるな、世界は広い、外に出ること
  4. 挑戦すること、変わることを恐れない
  5. 限界を自分で決めない
  6. 仲間を大切にすること
  7. 最後までやり抜き、形に残すこと
  8. 異種格闘技はしない、勝負するなら同じ分野で!
  9. 一人で無理をするな、仲間に助けを求めなさい。
  10. 自信を持ちなさい、そして母校を愛しなさい

2022年5月4日
杏林大学医学部消化器内科学 教授
診療科長
内視鏡室室長

久松 理一(ひさまつ ただかず)